伝説の郷の物語

千年以上の昔から文化が栄えた小浜には、数多くの名刹が点在し、古くから伝わる神事が今も大切に受け継がれています。

神話の世界が蘇る「若狭一の宮」

「海幸彦山幸彦」のお話は皆様よくご存知の日本神話のひとつですね。
兄(海彦)の大切な釣り針をなくした弟(山彦)が竜宮に探しに出かけ、そこで玉 のように美しい姫と出逢うというストーリー。
その山幸彦を祭っているのが若狭彦神社、竜宮で結婚した豊玉姫を祭っているのが若狭姫神社です。このふたつの神社は夫婦の間柄で、若狭では合わせて「若狭一の宮」と呼んでいます。どちらも樹齢数百年の木々に守られ、ひっそりと佇んでいます。

一千年を超え現世に伝わる「お水送り」

小浜は奈良の北に位 置し、古来より「海のある奈良」とも呼ばれるほど都とは密接な関係がありました。とりわけ、東大寺のお水取りに先立って行われる「お水送り」は、若狭から東大寺二月堂の前にある若狭井への香水(仏前に供える水)を送り届けるという神事。毎年3月2日に神宮寺と鵜の瀬で営まれます。
厳粛な神事の手順は、県外の見学者にも同じように振る舞われるので、その歴史の重みをぜひ一度ご体験ください。

一千年を超え現世に伝わる「明通寺」

明通寺の縁起は古く、大同元年(806年)坂上田村麿公が天下泰平、諸人安穏のため堂塔を創建した折に、1本の大きな古いゆずり木を使い、薬師如来、降三世明王立像、深沙大将立像の三体を彫って安置したのが始まりです。
国宝に指定された美しい三重塔が有名。本堂も同じく国宝に指定されていますが、気軽に拝観でき、重要文化財の薬師如来等も間近に見ることができます。